本コラムでは実際に活用されているレシピ(シナリオ)を題材にしつつ、RPA(EzRobot)を組む際の考え方やコツなどをご紹介させて頂きます。
中級~上級者向けとして存在している拡張機能は一切使用せず、基本機能のみで簡単に組める内容で解説します。
・RPAの組み方がわからない、難しい
・組んだRPAが止まる、動かない
といったお悩みも解決できるよう、業務改善のヒントとなりましたら幸いです。
なお、基本機能の各機能の動作の詳細や使い方については本コラムの趣旨から外れる為割愛いたします。
(※契約者様やトライアルユーザー様向けにはEzRobotユーザーサイト上のコンテンツやEzRobot操作マニュアルで情報を提供させていただいております。)
今回は「RPA(EzRobot)簡単な組み方、コツをご紹介 1-6」の内容と一部かぶりますが、違う形式のデータを変換する際にどのように行うかという部分について詳しく説明をさせていただきます。
前回のおさらい
前回までの工程でイメージできているシナリオ(レシピ)の全体の流れはこちらになります。
- タスクスケジューラでロボット起動
- オレンジフォームにログイン
- データ編集画面へ移動
- 繰り返し開始(画像が消えるまで)※チェックが無くなるまで
- チェックを付ける
- 変数に格納(面談日時・面談方法・氏名・メールアドレス)
- 項目編集画面へ移動
- 面談の入った日時を検索⇒削除⇒ページ更新 日付削除完了
- Googleにログイン
- Googleカレンダーへ移動
- 対象の日時(面談日時を表示)
- 情報(面談日時・面談方法・姓名・メールアドレス)を入力⇒保存 カレンダー入力完了
- Chatworkをひらく
- 担当者名を検索・表示
- 情報を入力し、送信 送信完了
- 表示した各ブラウザを閉じる
- 繰り返し終了(画像が消えるまで)※チェックが無くなるまで
- ロボット終了
前回、「1.タスクスケジューラでロボット起動」から「6.変数に格納(面談日時・面談方法・氏名・メールアドレス)」までを説明させていただきました。
「6.変数に格納(面談日時・面談方法・氏名・メールアドレス)」は「12.情報(面談日時・面談方法・姓名・メールアドレス)を入力⇒保存」にて情報を入力するために行った作業となります。
Googleカレンダーに情報を登録するためにオレンジフォームから必要な情報を変数に格納するというのが目的でしたが、オレンジフォームの情報(転記元の形式)とGoogleカレンダーの情報の形式(転記先の形式)が違うため、一度情報の形式の変換を行う必要がありました。
前回では、これを行う為に一度excelにオレンジフォーム上の情報をコピペし、Googleカレンダー用の情報へ形式を変換するという手順を行いました。その内容を今回詳しく説明いたします。
データ形式変換用excelシートの解説
「転記元の形式」と「転記先の形式」が違う場合には、一度excelを挟み、転記先の形式に合わせると効率的でございます。
今回は「転記元」であるオレンジフォームの「日時」の項目が
”12月31日(火)9:00-9:45”
となっておりますが、こちらを「転記先」であるGoogleカレンダーに入力する為に
- 日付
- 開始時間
- 終了時間
の3つに分ける必要がございます。
その為、オレンジフォーム内でコピーした情報を、一旦excelにペーストしました。
「B2,B3,B4,B5」の太枠内は、オレンジフォームから貼付けされた情報になります。
「C4,D4,E4」が今回のポイントでして、excelの関数を使用し、日時を分解しました。
それぞれ使用した関数は
・C4(日付を取り出す)
=IF(B4<>””, LEFT(B4,FIND(“(“,B4)-1), “”)
・D4(開始時間を取り出す)
=IF(B4<>””, MID(B4,FIND(“)”,B4)+1,FIND(“-“,B4)-1-FIND(“)”,B4)), “”)
・E4(終了時間を取り出す)
=IF(B4<>””, RIGHT(B4,LEN(B4)-FIND(“-“,B4)), “”)
となります。
これにより、オレンジフォームのスケジュールの形式をGoogleカレンダーの形式に変換することができました。
その他の形式変換の例(姓名、日付)
今回のレシピ(シナリオ)では使用しておりませんが、形式を変換した別の例をいくつかご紹介させて頂きます。
例えば「姓名」や「日付」を入力する場面は色々とあるかと存じますが
その際にも「転記元の形式」と「転記先の形式」が違うケースがあった場合、excelを挟むことにより実現が可能です。
入力元のB3セル「テスト 太郎」を「テスト」と「太郎」に分解しました。
こちらは「 (←全角スペース)」で姓名を分割する形をとりました。
・C3(姓)
=IF(B3=””,””,LEFT(B3, FIND(“ ”, B3)-1))
・D3(名)
=IF(B3=””,””,RIGHT(B3, LEN(B3)-FIND(“ ”, B3)))
続きまして
入力元のB4セル「2021/5/10」を「令和」「3」年「5」月「10」日と和暦に変換した上で年月日で分割しました。
・C4(和暦)
=IF(B4=””,””,TEXT(B4,”ggg”))
・D4(和暦の年数)
=IF(B4=””,””,TEXT(B4,”e”))
・E4(月)
=IF(B4=””,””,TEXT(B4,”m”))
・F4(日)
=IF(B4=””,””,TEXT(B4,”d”))
更に4行目の分解した日付(D4,E4,F4)を参照し「0」「3」「0」「5」「1」「0」と二桁表示でそれぞれの桁数の数字に変換しました。
・C5(和暦 10の桁)
=IF(D4=””,””,MOD(ROUNDDOWN(D4/10,0),10))
・D5(和暦 1の桁)
=IF(D4=””,””,MOD(D4,10))
・E5(月 10の桁)
=IF(E4=””,””,MOD(ROUNDDOWN(E4/10,0),10))
・F5(月 1の桁)
=IF(E4=””,””,MOD(E4,10))
・G5(日 10の桁)
=IF(F4=””,””,MOD(ROUNDDOWN(F4/10,0),10))
・H5(日 1の桁)
=IF(F4=””,””,MOD(F4,10))
以上のように、Excelの数式を用いて、データをさまざまな形に加工することが可能です。
まとめ
今回ご紹介させて頂いた内容のように「一度excelを挟み、転記先の形式に合わせる」ことで、そのまま変数に格納し、使用することが可能です。
また、当日の日付を変数に格納したい為に
=TODAY
を使用したりと、EzRobotとexcelは非常に相性が良いので使用する機会が多々ございます。
内容によっては、複数のexcel関数の組み合わせが必要になってきて「難しい」と感じる方もいらっしゃるかと存じますが、筆者である私もexcel関数についての知識はほぼ無い状態でして、関数を使用する際には検索して調べました。
最初は苦労しましたが、色々と調べてみると「こんな関数があったんだ!」という発見もあり、他の業務に生かせることも多々ございます。
レシピの組み方に悩んだ際には「excelを挟めばできるかも?」という視点でも、考えて頂けましたら幸いです。
RPA(EzRobot)簡単な組み方、コツをご紹介 1-8へ
最後に
RPA EzRobotは【低価格・劇的にカンタン・手厚いサポート】が特徴のRPA製品です。
「どのようにレシピを組めば良いかわからない」といった際でも、サポート(電話/チャット/メール/Web会議等)にてご相談を承っております。
また、弊社にて作成済のレシピ(シナリオ)を無料でダウンロードして微調整のみですぐに使うことが可能です。(こちらは契約者様向けサポートサイト「EzRobotユーザーサイト」からダウンロードできます。)
是非、お気軽にお問合せください。